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大津地方裁判所 昭和60年(わ)441号 判決

本店所在地

近江八幡市白王町六一六番地の二

滋賀真珠産業有眼会社

(右代表者代表取締役 北村健次)

本籍

滋賀県守山市木浜町一九〇七番地

住居

同町一八九八番地

会社役員

北村健次

大正一二年九月一日生

法人税法違反各被告事件

出席検察官

庄地保

弁護人 坊野善宏

主文

被告人滋賀真珠産業有限会社を罰金一〇〇〇万円に、被告人北村健次を懲役一〇月にそれぞれ処する。

被告人北村健次に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

訴訟費用は被告人両名の連帯負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社滋賀真珠産業有限会社は、滋賀県近江八幡市白王町六一六番地の二に本店を置き、淡水真珠養殖及び加工販売を目的とする資本金五八〇万円の有限会社であり被告人北村健次は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を総括しているものであるが、被告人北村健次は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売り上げの一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上、

第一  昭和五六年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億一五五万三、四八六円であるにもかかわらず、同五七年二月二〇日、同県近江八幡市桜宮町二四三番地の二所在の所轄近江八幡税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五、一九八万一、五七三円で、これに対する法人税額が二、〇八〇万四、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の同事業年度における正規の法人税額四、一六二万四、五〇〇円と右申告税額との差額二、〇八二万三〇〇円を免れ

第二  同五七年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が九、五一六万五、〇〇五円であるにもかかわらず、同五八年二月二五日前記近江八幡税務署ておいて、同税務署長に対し、その所得金額が五、五八二万三、二九六円で、これに対する法人税額が二、二三八万八、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の同事業年度における正規の法人税額三、八九一万一、六〇〇円と右申告税額との差額一、六五二万三、六〇〇円を免れ

第三  同五八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が三、八〇六万三、六八九円であるにもかかわらず、同五九年二月二〇日前記近江八幡税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三、一八七万五、七五七円で、これに対する法人税額が一、二五二万八、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて、不正の行為により、被告会社の同事業年度における正規の法人税額一、五〇三万二、四〇〇円と右申告税額との差額二五〇万四、〇〇〇円を免れたものである。

(証拠)

一  国税査察官作成の各脱税額計算書、各同計算書説明資料及び各報告書

一  被告会社作成の法人税確定申告書謄本

一  被告会社の定款

一  大蔵事務官作成の次の者に対する各質問てん末書

北村武次(七通)、北村ふみ(三通)、北村達二、北村高子、北村三雄(二通)、北村真寿美、藤村一男(四通)、リモン・ハジャー(二通)、中守春、北村一夫(二通)、疋田善弘、疋田厚子(二通)、横田三寿夫、梅原勝彦(二通)、木村吉宏、中井厚子、大川好美、四谷広一郎、高橋力、滝本恵美子、本多千代子、高木慈恵、福永松雄、奥村治右衛門、寺岡至、諏訪毅、寺川克彦、山田新一郎、京曻、奥村章子、被告人(二七通)

一  北村武次、被告人の検察官に対する各供述調書

一  被告人作成の供述書

(法令の適用)

被告会社の判示各行為はそれぞれ法人税法一六四条一項、一五九条一項に該当するところ、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから同法四八条二項により合算した金額の範囲内で同被告人を罰金一〇〇〇万円に処する。

被告人北村健次の判示各行為はそれぞれ法人税法一五九条一項に該当するところ、各所定刑中いずれも懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから同法四七条本文、一〇条により犯情最も重い判示第一の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で同被告人を懲役一〇月に処し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

被告人両名の訴訟費用は刑事訴訟法一八一条一項本文、一八二条により被告人両名の連帯負担とする。

(裁判官 梶田英雄)

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